住宅ローンを組んで自宅を取得した場合
こんにちは。西東京市で相続・不動産税務専門の税理士事務所を開業しております税理士の清水です。今回のコラムでは、「住宅ローンを組んで自宅を購入した場合」についてご説明致します。
自宅を購入する際、大半の方は住宅ローンを組んで購入されると思います。そして、住宅ローンを組んだ場合、所得税の特例措置として住宅ローン控除を受けることが出来ます。本コラムでは、住宅ローン控除を受ける場合の手続、必要書類、注意事項などをご説明させて頂きます。
住宅ローン控除の概要
個人の方が住宅ローンを組んでマイホームの新築や取得をした場合に、一定の要件を満たすときに限り、住宅ローンの年末残高の1%に相当する金額※が所得税から控除されます。この制度を「住宅ローン控除」といいます。
※平成21年1月1日以降取得分の控除率となります。
住宅ローン控除
適用要件
住宅ローン控除を受けようとする場合には、前述のとおり一定の要件を満たす必要があり、その一定の要件には、所得要件、建物要件、借入金要件等があります。
- 所得要件
その年の合計所得金額が3,000万円以下であること - 建物要件
建物の床面積(登記簿謄本上の床面積で判断します)が50㎡以上で、2分の1以上を居住用として利用していること - 借入金要件
返済期間が10年以上で、金融機関等※からの借入金であること
※親族や知人からの借入金は、住宅ローン控除の適用対象外となります。
手続
適用初年度
必要事項を記載した確定申告書に下記の書類を添付して、新しいご自宅が所在する住所地の所轄税務署に提出しなければなりません。
- 売買契約書
- 自宅の登記簿謄本
- 住民票の写し
- 住宅ローンの年末残高証明書
2年目以降
給与所得者であれば、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けることが出来ます。そして、年末調整で住宅ローン控除を受ける際は、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という書類をその都度、会社に提出する必要があります。
この「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金特別控除申告書」という書類は、適用初年度に確定申告を行った際、税務署から住宅ローン控除を受けることが出来る全期間分がまとめて送付されてきますので、紛失することがないように管理が必要となります。
住宅ローンの借り換えをした場合
原則的な取扱い
住宅ローンの借り換えは、従前の住宅ローンを返済する為のローンに該当し、住宅の取得のためのローンには該当しない為、原則的な取扱いは、住宅ローン控除の対象にはなりません。
特例的な取扱い(一定の要件を満たす場合)
借り換えをした住宅ローン控除が次の要件を満たす場合には、例外的に住宅の取得のためのローンに該当するとみなして、住宅ローン控除の適用を受けることが出来ます。
- 借り換え後の住宅ローンが当初の住宅ローンを返済する為のものであることが明らかであること
- 借り換え後の住宅ローンの借入期間が10年以上であること
なお、住宅ローン控除を受けることが出来る期間は、借り換えがあったとしても、当初の期間から延長されることはありません。
借り換え後の住宅ローン控除の対象金額
借り換え後の住宅ローンの年末の残高のうち、住宅ローン控除の対象となる金額は次の通りとなります。
- A≧Bの場合(当初の住宅ローンの残高より借り換え後の新たな住宅ローンの金額が少ない場合)
住宅ローン控除の対象額:b - A<Bの場合(当初の住宅ローンの残高より借り換え後の新たな住宅ローンの金額が多い場合)
住宅ローン控除の対象額:b×A/B
A=当初の住宅ローンの残高
B=借り換え後の新たな住宅ローンの借入金額
b=借り換え
イナリ税理士事務所では、西東京市のみならず、近隣地域からのご相談を積極的にお受けしておりますので、相続・不動産税務、中小企業の税務会計に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
執筆日:平成28年12月26日
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