公正証書遺言作成

公正証書遺言作成

公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証人役場において公証人が作成する民法969条に定められる遺言のことをいいます。
公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が「公正証書」という公文書の形式で、「遺言」という法律文書を作成したものです。公文書は、「高い証明力」がありますので、遺言者が亡くなった後に、本当に本人の意思で作成したのか?本人の意思判断能力は十分だったのか?誰かに強迫されて作成したのではないか?といった疑義が生じる余地がない為、遺言者の意思を適正に反映することができる遺言の方法として一般的に広く用いられています。

遺言書作成は誰に相談すべきか

公正証書遺言を作成しようと考えたときに、弁護士、税理士、司法書士、行政書士といった専門家のうち、どの専門家に相談すればよいのかというご質問をよく頂きます。一般の方にとって、普段なじみがない公正証書遺言作成についてどの専門家に相談した方が良いか判断するのは簡単なことではありません。
各専門家には各々特性がありますので、どのような場合に、どの専門家に相談した方が良いかというご説明をさせて頂きます。

弁護士に相談した方が良いケース

遺言執行時に相続人間でもめる可能性がある場合

公正証書遺言は、相続発生後に相続人間での無用な争いを避けるために作成するものですが、それでもなお、相続発生後に相続人間での争いが避けられないと考えられる場合(例えば遺留分を侵害した遺言内容とする場合、絶縁状態にある相続人がいる場合等)には、公正証書遺言に記載する遺言執行者を弁護士にする為に、弁護士に遺言作成の依頼をされることをお勧め致します。ただし、遺言執行者となった弁護士は、利益相反の関係から、特定の相続人の代理人になれない場合がありますので、その点は注意が必要です。

税理士に相談した方が良いケース

相続税の節税を念頭に入れた遺言内容としたい場合

相続税には、配偶者の税額軽減、小規模宅地の特例といった様々な特例があります。これらの特例を有効に活用することにより、相続発生後の相続税の納付額を抑えることができます。また、効果的な相続対策とする為には、一次相続だけではなく、二次相続(配偶者の相続)も視野に入れた遺言内容とする必要があります。相続税の節税を考えながら遺言を作成したいといった方は、税の専門家である税理士に遺言作成の依頼をされることをお勧め致します。ただし、税理士にも専門分野がありますので、税理士の中でも更に相続を専門とした税理士に依頼をする必要があります。

司法書士・行政書士に相談した方が良いケース

遺言執行時にもめる可能性がなく、相続発生後に相続税を心配する必要がない場合

誰にどの財産を渡すかといった遺言内容が決まっており、相続発生後も相続人間でもめる可能性がなく、また、相続税を納付する必要がない、相続税の節税を検討する必要がないという方は、町の身近な法律家として存在している司法書士・行政書士に遺言作成を依頼することをお勧め致します。

遺言書の種類とそれぞれのメリット・デメリット

遺言書には、代表的なものとして「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2種類があります。ここでは、各遺言書の特徴、メリット・デメリットを簡単にご説明致します。

公正証書遺言自筆証書遺言
特徴
  • 公証人が公証人役場で作成する
  • 自分一人で作成できる
メリット
  • 公証人が作成する為、形式不備などで遺言内容が無効となる可能性が低い
  • 原本が公証人役場で保管されるため、紛失や偽造の恐れがない
  • 家庭裁判所の検認の必要がない
  • いつでも気軽に作成できる
  • 費用が全くかからない
  • 遺言を作成したことを完全に秘密にすることができる
デメリット
  • 手続きが面倒
  • 費用がかかる
  • 公証人と証人2人の立ち合いが必要の為、完全に秘密にすることはできない
  • 法律上の要件を満たしていない場合は、遺言内容が無効となる
  • 紛失、偽造・変造の危険性がある
  • 相続発生後に、遺言作成時の遺言者の意思判断能力が問題となる場合がある
  • 家庭裁判所の検認を受けなければならない

このような方に公正証書遺言の作成をお勧め致します

遺言は、財産の多寡にかかわらず、また、相続人間の仲の良し悪しにかかわらず、無用な相続争いを避けるために作成した方がよいものですが、特に下記に該当する方については、未然に無用な相続争いを防止するという意味から、公正証書遺言の作成をお勧め致します。

  • 法定相続人が配偶者と兄弟姉妹の方
  • 離婚歴があり、前妻との間にお子様がいらっしゃる方
  • 不動産を多数所有している方
  • 相続人以外の方に財産を残したいと考えている方
  • 会社経営者で会社の株式を確実に後継者に相続させたい方
  • 同居している相続人に財産を多く残したいと考えている方

イナリ税理士事務所は公正証書遺言作成時作成後のサポートをします

公正証書遺言は、遺言作成時の財産状況や税制に基づき作成されます。しかし、時の経過により、保有する財産の内容が大きく変動し、遺言内容を書き換える必要が生じたり、税制が大きく改正され、当初考えた分割内容に問題が生じたりすることがあります。そのような事態に備え、遺言作成後も定期的に遺言内容の見直しをする必要があります。よって、遺言作成の相談を「誰に」するかは、遺言作成後のフォロー体制も確認しながら判断する必要があります。
相続・不動産税務専門のイナリ税理士事務所は、公正証書遺言作成のサポート実績が多数あり、また、遺言作成後においても、定期的なフォローを行い、当初作成した遺言内容が、遺言者の意思を適切に反映されたものかどうかのご確認をさせて頂いております。

イナリ税理士事務所の公正証書遺言作成のサポート料金

公正証書遺言作成のサポート料金は10万円(税抜)からとなります。
財産の内容、金額や種類等に応じて別途御見積もり致します。
「公正証書遺言作成」について、不明点・疑問点等ございましたら、お気軽に何なりとお問合せ下さい。