勝者はルールメーカーです。
…中小企業も『ルールメーカー』になれます。
…前回号のつづきです。
『ルールメーカー』になることを経営目標においてください。
- 新しいルールを作り上げた企業は、『ルールメーカー』として隆々と生きています。
- 誰かが作ったルールにいち早く適合した企業は、『準ルールメーカー』としてうまく経営できています。
- その他の企業は、昔から存在するルールに従う『ルールの適合者』です。『ルールの適合者』は、そのマネージメントやマーケティングが相対的に優れている時にのみ、一定の規模と利益を享受できます。
優良企業や、特に新規上場を果たすような企業群は、そのほと
んどが『ルールメーカー』又は『準ルールメーカー』です。
ルールの適応範囲の大小にかかわらず、新しいルールを構築で
きた企業群に対して、世間は高い評価を与えます。それが高い
利益率であり、高額な企業価値(時価総額)です。
※ここで言うルールとは、消費者に提供する新しい価値のこと を指します。企業側から考えると、新しい事業立地を創造する ことです。今まで世の中に存在しなかった製品やサービスのこ とです。
『ルールメーカー』とはだれか?
機械式時計をクオーツに置き換えた日本の時計メーカーは典 型的な『ルールメーカー』です。精工で高価な時計を、廉価で 大量生産できる時計に置き換えたのです。この変化が起きた 1980年頃に、スイスの時計職人六万二千人のうち、五万人 が職を失ったと言われています。すさまじいスピードのルール 変更(パラダイムシフト)だったようです。
ネット通販を浸透させたネット通販大手も典型的な『ルール メーカー』です。ネット通販での売上の多くは、間違えなくリ アル店舗から奪い取ったそれです。モノは店で買うというルー ルから、モノはネットで買うというルールに変わったのです。
数十年前、自動車の動力はガソリンエンジンでした。今後は、 電気、ハイブリッド…自動車の動力が変わりました。これもル ール変更です。
すべてのルール変更には、勝者と敗者が存在します。変更前の 勝者が変更後も勝者になったケースはほとんどありません。勝 者は、現存するルールや過去の経験や知識に縛られてしまって いるからです。
シュンペーターは、変革(ルール変更)を妨げる三つのハード ルとして以下を挙げています。
- 経験よりも洞察を必要とするが、経験に頼りがちであること。
- 実証されていない新しいことを始める難しさ。
- 新しいことを始めることで受ける、社会からの抵抗と批判。
シュンペーターは、新結合(ルール変更)を狙う企業家は、 (当初は)潮の流れに逆らって泳ぐようなものだ、とも述べて います。
中小企業も『ルールメーカー』になれます。
「卵を一切使わないのに、ちぎってそのまま食べられるほど
柔らかくて、ほんのり甘い。目指したのはそんな究極の食パン
でした。」〔乃が美さんのHPより引用〕、1斤400円(税別)
の食パンです。食パンの定義を見直し成功された『ルールメー
カー』です。
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「金仏壇から現代仏壇へ」、住まいの洋風化、コンパクト化
に対応した新しい仏壇を創造した企業様があります。仏壇業界
で初めてのGOODデザイン賞を受賞されています。仏壇・仏
具に関する『ルールメーカー』として、業界のけん引役を担わ
れるはずです。
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