銀行には雨傘はなく日傘しか置いていない
金融機関は民間企業
金融機関を揶揄する言葉として、「銀行には雨傘はなく日傘しか置いていない」という言葉がありますが、市中の金融機関は民間企業ですので、当然のことだと思います。民間企業である以上、売上をあげ、利益を出し、そして利益の中から株主に配当を行っていきますので、貸し倒れる可能性が高い会社に資金を貸し付ける動機がありません。
会社経営者様の中には、金融機関について間違った認識を持っている方がいらっしゃって、金融機関は、「お金に困っている会社に資金を貸し付けるのが仕事」だという認識を持っている方がいますが、それは大きな間違いです。正しい認識としては、金融機関は、「返済が見込まれる会社に資金を貸し付けるのが仕事」という事になります。よって、先ほどの言葉通り、会社が雨降りの状況で金融機関に融資のお願いに行ったとしてもけんもほろろな対応が待っているだけですので、そうなる手前の少し曇りの状況で金融機関にお願いに行く必要があります。
雨傘もたまに置いてある
銀行には雨傘はなく日傘しか置いていないとご説明致しましたが、実は金融機関には、たまに雨傘を置いている場合があります。それは制度融資と呼ばれるもので、地方自治体が資金繰りに窮する会社を支援するために、設けられている制度です。例えば、売上が前年比〇%落ちた会社が対象といったように、業績低迷に伴う会社の資金繰りを支援する「雨傘」が置いている場合もありますので、金融機関の担当者に自社が適用できる制度融資がないかどうか確認するのも一つの方法です。
いきなり雨降りの状況にならない為に
いきなり雨降りの状況にならない為には、まずは借入などで手元資金を厚くし、売上が多少下がったとしても、いきなり雨の状況までいかず、曇りの状況でとどまることができる預金残高にしておくことが挙げられます。中小零細企業の多くは、月商1カ月にも満たない金額の預金残高で、日繰りをしながらなんとか資金を回し続けている会社がありますが、このような状況ですと、少し売上が下がったり、取引先からの入金が少し遅れただけで資金ショートしてしまい、最悪倒産という事態に陥ってしまいます。そうならないよう、借入でもよいので、出来る限り手元資金を厚くした状態で経営を行っていくことをお勧め致します。
次に、毎月の資金繰り表の精度を上げ、近未来の月末預金残高を常に意識しながら経営を行っていくということが挙げられます。近未来の売上見込み、粗利見込、毎月の固定費の金額、定期的な固定費の金額を資金繰り表に落とし込み、今後、見込売上高に対して実際の売上が何%下がった場合、資金繰りが厳しくなるのか等、常に近未来の資金の動きを確認しながら経営を行っていくことをお勧め致します。
イナリ税理士事務所では、中小零細企業様の資金繰りを積極的に支援させて頂いておりますので、資金繰りや金融機関対応にご不安がある場合は、是非ご相談頂ければと思います。
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