相続発生後に行う税務上の手続きとその期限
こんにちは。西東京市で相続・不動産税務専門の税理士事務所を開業しております税理士の清水と申します。今回のコラムでは「相続発生後に行う税務上の手続とその期限」についてご説明致します。
相続が発生した場合、役所に死亡届出を提出し、火葬許可証を発行してもらい、通夜・告別式の準備・・・と故人の逝去を悲しむ暇もなく様々な手続きを行う必要があります。そして、その手続きの一つに税務上の手続があり、税務上の手続は法律で定められた期限内に行わないと、罰則や不利益を被ることがある為、注意が必要となります。
本コラムでは、この「相続発生後に行う税務上の手続とその期限」についてご説明させて頂きます。
概要
被相続人の相続発生後に行う税務上の代表的な手続として、「所得税準確定申告書の提出」、「青色申告承認申請書の提出」そして、「相続税申告書の提出」があります。もちろん全ての方が前述の書類を税務署に提出する必要があるわけではありませんが、対象となる方は、提出期限に遅れないように準備を進めていく必要があります。
ここでは、それぞれの書類の提出対象者、申告期限及び提出先などの詳細についてご説明させて頂きます。
所得税準確定申告書
概要
所得税の確定申告書を毎年提出していた方や相続発生年度に突発的な収入があった方が亡くなった場合、その方の相続人は、その年の1月1日から相続発生日まで(通常の申告は1月1日から12月31日まで)の収入に関して、所得税の準確定申告書を提出し、それに対する所得税を申告期限までに納める必要があります。
申告期限
相続発生から4カ月以内(相続発生日の応当日)
提出先
被相続人の住所地を管轄する税務署
共同申告しない場合
準確定申告書は、各相続人が共同して一の書面により申告するのが原則ですが、特例的な取扱いとして、各相続人が個別に申告することも出来ます。その場合、所得税の準確定申告書の付表の記載方法は次のようになります。
- 「相続人に関する事項」欄は、全ての相続人について記載する。
- 一の確定申告書で申告する相続人は、申告書の氏名欄の捺印箇所に捺印する。
- 一の確定申告書で申告しない相続人については、その人の住所の上側に「申告せず」と記載し、その人の「氏名」を〇で囲む。
青色申告承認申請書
概要
被相続人が生前に個人事業や不動産事業を行っており、その事業を相続人が引き続き行う場合、相続人の所得税の申告について青色申告を行うためには、下記の提出期限までに「青色申告の承認申請書」を税務署に提出しなければなりません。
提出期限
- 相続発生日が 1月1日~ 8月31日・・・相続発生日から4カ月以内
- 相続発生日が 9月1日~10月31日・・・その年12月31日まで
- 相続発生日が11月1日~12月31日・・・翌年2月15日まで
被相続人が白色申告の場合
上記の提出期限にかかわらず、被相続人がもともと白色申告を行っている場合の提出期限は、業務を承継した日から2ヶ月以内となっておりますので、注意が必要となります。
提出先
相続人の住所地を管轄する税務署
相続税申告書
概要
被相続人の財産が、相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合には、相続税の申告書の提出及び納税を下記の申告期限までに行う必要があります。
申告期限
相続発生から10ヶ月以内(相続発生日の応当日)
提出先
被相続人の住所地を管轄する税務署
イナリ税理士事務所では、西東京市のみならず、近隣地域からのご相談を積極的にお受けしておりますので、相続・不動産税務、中小企業の税務会計に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
執筆日:平成29年7月3日
※上記コラムの内容は執筆日現在の法令に基づいて記載されたものですので、その後の改正等により法律が変更されることがありますので、ご注意下さい。