確定申告手続きの簡素化
こんにちは。西東京市で相続・不動産税務専門の税理士事務所を開業しております税理士の清水です。今回のコラムでは、「確定申告手続きの簡素化」についてご説明致します。
平成31年度の税制改正において、所得税の確定申告書を作成・提出する際の事務手続きが簡素化される内容の改正がはいりました。改正の具体的な内容としては、一定の要件のもと確定申告書に記載する所得控除額の内訳の記載が不要になったこと、確定申告書を提出する際に添付が求められていた書類の一部が添付不要になったことが挙げられます。
本コラムでは、この「確定申告手続きの簡素化」についてご説明させて頂きます。
確定申告書の記載事項の簡素化
改正の内容
年末調整で適用を受けた所得控除額(例えば、生命保険料控除・地震保険料控除・配偶者控除・扶養控除等)と確定申告で適用を受ける所得控除額の金額に異動がない場合には、確定申告書に各所得控除額の内訳を記載する必要はなく、所得控除額の合計額のみを記載する方法によることが出来ることになりました。なお、この改正は、「年末調整で適用を受けた所得控除額=確定申告で適用を受ける所得控除額」のケースでのみ適用されるため、確定申告で医療費控除を受ける場合は、「年末調整で適用を受けた所得控除額≠確定申告で適用を受ける所得控除額」となるため、本改正の適用対象外となり、原則通り所得控除額の内訳を記載する必要があります。
適用時期
平成31年4月1日以後に提出する平成31年分以後の確定申告書から適用されます。よって、平成31年4月1日以後に提出する確定申告書であってもその年度分が平成30年分以前であれば、上記の改正は適用されず、従前どおり各所得控除額の内訳を記載する必要があります。
書類の添付不要化
改正の内容
確定申告書を提出する際に各種所得の金額を証明する書類として、源泉徴収票や特定口座の年間取引報告書等の添付が義務付けられていましたが、今回の改正により、確定申告書を提出する際に下記の書類の添付が不要となりました。
- 給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
- オープン型証券投資信託の収益の分配の支払通知書
- 配当等とみなす金額に関する支払通知書
- 上場株式配当等の支払通知書
- 特定口座年間取引報告書
- 未成年者口座等につき契約不履行等事由が生じた場合の報告書
- 特定割引債の償還金の支払通知書
- 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例を適用する際の相続税額等を記載した書類
適用時期
平成31年4月1日以後に提出する確定申告書から適用されます。
イナリ税理士事務所では、西東京市のみならず、近隣地域からのご相談を積極的にお受けしておりますので、相続・不動産税務、中小企業の税務会計に関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
執筆日:令和元年7月15日
※上記コラムの内容は執筆日現在の法令に基づいて記載されたものですので、その後の改正等により法律が変更されることがありますので、ご注意下さい。